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翡翠館 庭園

デザインを替えてみました。少しは読みやすくなったかも。前のデザインの方が雰囲気はよかったんですが…… イギリスのロマンス小説の作家、ベティー・ニールズの紹介をしていきます。独断と偏見と妄想にもとづくブログです。どうかご容赦を……。
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猫と紅茶とあの人と

猫と紅茶とあの人と 原題:The Course of True Love 初版:1988年
 
ヒロイン:クレアラベル・ブラウン(物理療法士)
ヒーロー:マルク・ファン・ボーゼル(医師、オランダ人)
 
 この作品は私が読んだニールズの作品の中でもっとも軽快な作品の1つで、読みながら「ベティー・ニールズがラブコメ書いてる……」と思ってしまいました。
この作品では全編を通して深刻な要素がほとんどありません。ハプニングがないわけではないんです。マルクがクレアラベルを彼女の実家に送っていく途中で偶然事故現場に遭遇し、その時にアルマという女の子に出会い、マルクが彼女に付き纏われるという事態になります。でも、マルクにとってこれはまさしく渡りに舟で、アルマを諦めさせるためにクレアラベルに婚約者の振りをしてくれないかと頼んで、彼女とちゃっかりデートを重ねます。クレアラベルの働く物理療法科が爆破され、当分の間閉鎖されることになった事件も、彼女をオランダに連れて帰るいい口実になってしまいます。
最初、彼はクレアラベルの上司のミスター・シャターが休暇の間の代理で来ただけのはずが、その期間が終わっても、ミスター・シャターと相談したい事案があるから、とか診たい患者がいるからと理由をつけてちょくちょくイギリスにやってくる。そして、クレアラベルの部屋のドアを激しくノックし、彼女に不意打ちを食らわせるのです。
つまり、この話は、クレアラベルに一目惚れしたマルクが、彼女を自分のものにするために如何に頑張ったか、を描いた作品とも言えますね。
クレアラベルは美人で、おとなしいとはいえないタイプなので、2人の会話は辛辣な台詞の応酬になることが多いのですが、それも読んでいる人間からすれば楽しめてしまう。
ニールズの作品のヒーローたちはみんなそうなんですが、彼らはあからさまにヒロイン達を口説いたりしません。自分を愛するように巧に仕向けるんです。そのためのには本当に骨惜しみしません。マルクもクレアラベルに会うためだけに忙しい仕事の合間を縫って海を渡ってくる。クレアラベルはマルクがオランダに帰るたびに、もう会うことはない、と思うのに、激しいノックの音にドアを開けて「オランダにいるはずじゃあ……」と仰天します。出会った時は何と傲慢な人だろう、と憤慨するものの、何度も会ったりデートをしているうちにクレアラベルの心はだんだんマルクに傾いていって……。まあ、マルクの作戦勝ってところでしょうか。
こんな、明るく軽やかな作品には「2人のパラダイス」もありますが、私はこの作品のほうが好きですね。
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HN:
Mrs Green
年齢:
58
HP:
性別:
非公開
誕生日:
1965/07/23
職業:
主婦
趣味:
ありすぎて書ません
自己紹介:
夫と子供2人の専業主婦です。
宮崎生まれで、現在沖縄に住んでいます。
青い海も好きですが、それよりふるさとの緑の山々が恋しい……。
P R
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