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翡翠館 庭園

デザインを替えてみました。少しは読みやすくなったかも。前のデザインの方が雰囲気はよかったんですが…… イギリスのロマンス小説の作家、ベティー・ニールズの紹介をしていきます。独断と偏見と妄想にもとづくブログです。どうかご容赦を……。
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春を待ちわびて

春を待ちわびて 原題:Last April Fair 初版:1980
 
ヒロイン:フィリダ・クレスウェル(看護師)
ヒーロー:ピーテル・ファン・シッタート(医師、オランダ人)
 
 ニールズの作品のヒーローたちはそれぞれに一癖も二癖もある人物が多いんですが、もう本当にただただ優しいヒーローが何人かいます。「忘れがたき面影」のハソ、「めぐる季節の贈り物」のジェームズ、「聖夜に祈りを」のオリバーなどですね。で、この作品のピーテルもそんな、優しい優しいヒーローのうちの1人です。
 
 ヒロインのフィリダは看護婦で、白血病の女の子、ガビーに付き添って、マデイラ島とカナリア諸島をめぐるクルーズに参加することになりますが、途中でガビーの具合が悪くなり、クルーズを続けると言い張るガビーの両親を船に残し、フィリダとガビーはマデイラ島で下船。最悪なことに、そこでガビーは亡くなってしまい、ガビーの遺体を引き取りにきた両親に責められた上に、僅かな所持金しかないのにマデイラ島に置き去りにされます。今日泊まる所の当てもないまま途方に暮れるフィリダに手を差し伸べたのがオランダ人の医師ピーテル・ファン・シッタートでした。
 ピーテルは最初、フィリダたちが泊まったホテルの宿泊客で、彼女の容態が急変した時も病院に連れて行ったあげたりと手助けしてくれた人ですが、フィリダが置き去りにされた事情を語ると、マデイラ島に住む友人の家にフィリダも一緒に招待してくれます。友人夫妻もとてもいい人で、夢のような1週間を過ごした後、帰国。ピーテルともこれでお別れ、と思いきや、そうは問屋がおろさない。
 
 この作品も前回紹介した「猫と紅茶とあの人と」と同じように、ヒロインを気に入ってしまったヒーローが、なんだかんだと理由をつけて、ヒロインをオランダに引っ張ってくると言うお話です。この作品の場合、だしに使われたのはフィリダの弟と、母親で、「お母さんと弟さんをオランダに招待したから君もどうだい?」って感じでまるでフィリダはおまけみたいな言い方ですが、本命はフィリダだということは見え見え……。
 
 断りきれなくてオランダに行ったフィリダですが、オランダに着いてみると、ピーテルの幼馴染のマレーナが彼にやたらと絡んでくるし、弟のウィリーの悪戯で嵐の中ヨットで漂流する羽目にはなるし、自分がピーテルを愛していることに気がつくし、航海に出る前に振ったはずのフィリダの元恋人(ボーイフレンドか?)が登場してきて、ピーテルが2人の仲を取持とうとするし、もう、感情的にはぐちゃぐちゃ……。ずっと前からピーテルに愛されているのに、それに全然気付かないフィリダ。最後にハッピーエンドになりますが、フィリダの母親の「フィリーは……あの子ときたら本当に鈍いんだから」と言う台詞はほんと実感こもってましたね。
 
 この作品でいいなあと思ったのは、このフィリダの母親です。余計な口出しはしないけど、しっかり目を光らせて状況を把握して本当に必要な時にさりげなく手を打つ。母親の愛情ってこんなふうに発揮されるんだなあと思いました。私もこんな母親になりたいな。
 
 
 
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Mrs Green
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性別:
非公開
誕生日:
1965/07/23
職業:
主婦
趣味:
ありすぎて書ません
自己紹介:
夫と子供2人の専業主婦です。
宮崎生まれで、現在沖縄に住んでいます。
青い海も好きですが、それよりふるさとの緑の山々が恋しい……。
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