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翡翠館 庭園

デザインを替えてみました。少しは読みやすくなったかも。前のデザインの方が雰囲気はよかったんですが…… イギリスのロマンス小説の作家、ベティー・ニールズの紹介をしていきます。独断と偏見と妄想にもとづくブログです。どうかご容赦を……。
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Tulips for Augusta

Tulips for Augusta(邦訳されているかどうか不明) 初版:1971年
ヒロイン:Augusta Brown(看護師)
ヒーロー:Constantijin van Lindemann(医師、オランダ人)

 ニールズのごく初期の頃の作品ですね。この話は他の作品に比べると結構長いんですよ。そんな理由でまだ邦訳されていないのかもしれません。
 長い分、内容的に盛り沢山です。Augusataの勤める病院での2人の出会い。オランダに住むAugustaの大伯母を訪ねたときの二人の再会。Augusutaの実家近くの採石場での更なる再会……。そこで、実はConstantijinの名付け親がAugustaの実家近くに住んでいて、彼は何度も彼女の実家付近を行き来したことがある事が判明。その後、再びオランダを訪れたり、イギリスに帰って仕事を再開したら病院近くでビルの倒壊があってパニック状態になったり……。
 それらの色々な出来事の中で2人の想いは通い合っていき……、と言いたいところですが、Constantijinが本当にいろいろとAugusataの為に心を砕いてあげても、美人ではない彼女にはなかなか彼の思いは伝わりません。おまけに、彼の近くにSusanという女性がうろちょろしていてAugusataは彼の本命はSusanではないかと思っている。しかも、Constantijinは最初に出会った時に“I don't like carroty hair”(Augustaは見事な赤毛の女性です)と言ってしまっているし(後でそのことを指摘されたConstantijinは「え?そんな事言ったっけ?」という感じで流してしまいます)。まあ、つまりConstantijin本人の責任も少しはあるということですね。
 それでも、Constantijinの努力の甲斐があって、Augustaは彼に愛されていることを信じるようになり、ニールズの作品にしては珍しくラストになる前にプロポーズされ、そして彼女はそれを受け入れます。が、プロポーズの後にまだ話が続くということは、そこから先にまだ波乱が残されているということで……。
 実はConstantijinはSusanの後見人で、それ故に彼はSusanについてちょっと面倒なことを処理しなければならなくなるのですが、それについての説明をConstantijinは一切しないものだから、盗み聞きしたConstantijinとSusanの会話からAugustaの悪い妄想はとんでもない方向に……。
 最後は誤解も解けて、やっとめでたしめでたしとなるのでまあ心配することもなかったんですけどね。

 ところで、ニールズの作品を読んでいて気がついたのは、ニールズの中期以降の作品はヒーローの家庭(実家)は幸福そのものという場合がほとんどなのに、初期の頃の作品では、ヒーローが結構辛い過去を背負っていたりなんかします。Constantijinもそんな1人で、彼が16歳の時母親が亡くなって以来、父親は喪失感からConstantijinと彼の弟から離れていったそうなのです。それを知ったAugustaは……。

 うーん。この話は徹頭徹尾、Augaustaを手に入れるためのConstantijinの努力のお話だったのかもしれません。
 

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夫と子供2人の専業主婦です。
宮崎生まれで、現在沖縄に住んでいます。
青い海も好きですが、それよりふるさとの緑の山々が恋しい……。
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