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翡翠館 庭園

デザインを替えてみました。少しは読みやすくなったかも。前のデザインの方が雰囲気はよかったんですが…… イギリスのロマンス小説の作家、ベティー・ニールズの紹介をしていきます。独断と偏見と妄想にもとづくブログです。どうかご容赦を……。
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片思いの日々

片思いの日々 原題:Matilda’s Wedding 初版:2000
 
ヒロイン:マチルダ・ペイジ(病院受付係)
ヒーロー:ヘンリー・ラヴェル(医師・イギリス人)
 
ニールズファンが日本に私一人だけってわけではなかろう、と思っていましたが、実際インターネットで検索してみると、ニールズ作品のデーターや感想をまとめてくださっているブログが2.3あって、とても嬉しいし、とても助かっています。
そういう、他の人たちの感想を読んでいて「え?」と思ったのは、作品に対する評価が私と同じものもあれば、全く違うものもあって、同じ作品でも人それぞれに受け取り方が違うんだなあと、改めて感じ入りました。
 
で、この作品は、他の人の評価と私の評価がえらく違った作品のうちの1つです。実は、この作品は私のお気に入りベスト3に入ります。というか、まだ、それほどニールスの作品を読んでいない頃はこの作品がダントツ1位だったんです。もう、何回読み返したことか……。
 
何でそんなに気に入ったかというと、第1はヒロイン、マチルダの性格です。美人ではないけど、それで卑屈になることはないし、堅実で控えめ、それに聡明でもある。超わがままな母親の言動にじっと耐え、働きながら家事全般をこなし、病身の父親の世話もする。
家計を助けるために病院受付係に応募しようと面接に行き、ヘンリーに一目惚れしてしまうのですが、前もって村人から彼には婚約者がいると聞いていたので、彼への恋心を隠し通そうとします。でも愛しいヘンリーに頼まれれば時間外労働も休日出勤もなんのその。健気なんです。本当に健気なんです。
 
 あと、ヘンリーもいい。最初はマチルダをただの受付係としか見ていなかったのに、なぜだかだんだん気になって……、と、結構ヘンリーの心がマチルダに傾いていく様子が描かれていて、こう、他の作品のヒーローのように超絶とした感じではなくて、わりと普通にいそうなタイプで親しみがもてました。
 
 もう1つ、この作品で特徴的なことで、且つ私が気に入っていることは、村人たちとの交流が丹念に描かれているところです。ニールズの作品でこういのは珍しいんです。ゴシップ好きの雑貨店の女主人、マチルダを下宿させてくれた未亡人、牧師夫妻に、レディ・トラスコット。それに、村人ではないけど、ヘンリーの叔母、アント・ケイト。母親が意地悪な代わりに、これらの人々がマチルダを見守ってくれているのです。
 
この作品に対する評価が低かった人の理由は、マチルダの母親のわがまま振りが目立ちすぎて作品全体の印象が悪くなったとのこと。でも私はヒーロー、ヒロイン以外の人物にどんな嫌なキャラクターが出てきても、全く気にしないタイプです。ヒーローとヒロインが幸せになれればそれでいいし。
 
最後に、私が一番気に入っているシーンを紹介します。
 
ある農場の主人が手術することになり、ヘンリーがマチルダに手術の間、農場で小さな男の子の世話をしながら留守番してくれないかと頼んだときのことです。
〈引用〉
――本当は牛にでくわすのが怖いし、ましてや人里離れた農場で幼い男の子と全く知らない農場労働者と半日を過ごすかと思うとたじろいでしまう。それをドクターに正直にうちあけるべきなのだろうか?
マチルダは彼の穏やかな顔を見上げ、黙っていようと決めた。わたしは彼を愛している。彼のためならどんなことでもするつもりだ。牛の1頭や2頭に怖気づいてどうするの――
 
 本当に天晴れな娘さんです。こういう女の子大好き。
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HN:
Mrs Green
年齢:
58
HP:
性別:
非公開
誕生日:
1965/07/23
職業:
主婦
趣味:
ありすぎて書ません
自己紹介:
夫と子供2人の専業主婦です。
宮崎生まれで、現在沖縄に住んでいます。
青い海も好きですが、それよりふるさとの緑の山々が恋しい……。
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