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翡翠館 庭園

デザインを替えてみました。少しは読みやすくなったかも。前のデザインの方が雰囲気はよかったんですが…… イギリスのロマンス小説の作家、ベティー・ニールズの紹介をしていきます。独断と偏見と妄想にもとづくブログです。どうかご容赦を……。
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幻のフィアンセ

幻のフィアンセ 原題:At the End of the Day 初版:1985

ヒロイン:ジュリア・ミッチェル(看護師) 
ヒーロー:ローリス・ファン・デル・ワーギマー(医師、オランダ人)
 
この作品は、ヒロインに既に婚約者がいて、その婚約者との破局の後に(あるいは破局する前から)訪れるヒーロとヒロインのロマンス、というパターンの話です。これと同じ分類に入る作品に「愛は深く静かに」や「レイチェルの青い鳥」や最近発行された「めぐる季節の贈り物」などがあります。

 ヒロインのジュリアは30歳で、たぶん、私が今まで読んだニールズの作品のヒロイン中では一番年とってます。ヒーローのローリスも結婚歴があり(死別)、11歳の男の子がいるこということもあって高い年齢の部類に入ります(41歳)。が、作品中、同僚の若い看護師がローリスのことを「ちょっと年とってるせいかしら」と言ったときに、ジュリアが心の中で「私にはちょうどいい年ごろなのよ」と呟いた通り、この2人はお似合いだし、ちょうど吊り合ってます。

 日本語のタイトルと原題とは全く違っていますが、このタイトルはそれなりに作品に沿ってます。でも、最初は幻のフィアンセとはジュリアの最初の婚約者のことだと思っていましたが、実はそうではなく、ジュリアの方がローリスにいると思い込んだ婚約者のことでした。

 ニールズの作品のヒーローの中には、妻や婚約者などいないのにいる振りをしてヒロインの心を揺さぶる男性が時々出てきますが、ローリスもそういう男性。確かに、「僕には婚約者がいる」とは言ってないけど、どう聞いたって婚約者がいるとしか解釈できない会話でジュリアを苛みます(言いすぎかな?)。 でも、そんなヒーローの意地悪に翻弄されるヒロインの話は結構私好きなんです。
 
 ところで、それは話の後半部分でのことで、前半部分ではジュリアと婚約者の関係が描かれています。そして、ジュリアには婚約者がいると知りつつ、何かとちょっかいを出してくるローリスの姿が……。ローリスがいつごろからジュリアに恋をしていたかちょっとわかりませんが、ジュリアの婚約者(同じ病院の医師)がその病院から別の病院に移るということが具体化したあたりからちょっかいを出すようになったので、かなり前から気になっていたんだけど、ジュリアが婚約者といっしょに病院を辞めるかもしれないとわかって、とうとう行動に出た……って感じでしょうかね。

 なかなか素敵な作品です。

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ドクターは御曹子

ドクターは御曹子 原題:Philomena’s Miracle 初版:1978年

ヒロイン:フィロメナ・パーソンズ(看護師) 
ヒーロー:ワーレ・ファン・デル・タックス(医師・オランダ人)

 まずはタイトルから突っ込みを入れてみましょう。「ドクターは御曹子」って、ニールズの作品で御曹子じゃないヒーローなんかいましたか?このタイトル、ニールズのどの作品に付けてもOKですね。でも、実際にワーレはお城に住んでいたので、それを強調したかったタイトルなのかもしれません。

 この作品はスイート度がかなり高い……。実はワーレがフィロメナ(フィリー)にベタ惚れなんです。いや、ニールズの作品では結局はヒーローがヒロインにベタ惚れっていう話がほとんどなんですけど。ワーレは作品の前半まではフィリーに対する恋心を隠してますが、後半を過ぎたあたりから隠さなくなり、オープンになり、プロポーズまでしてしまう。「とりあえず結婚」(愛しあっていなくても、お互い好意を持っているのだからとりあえず結婚しよう、というパターンを私はこう呼んでます)でもないのに、プロポーズが話の途中(とはいっても後半の方ですが)に出てくるという、ニールズの作品にしては珍しいパターンです。

 ワーレのように地位も財産も能力もあってハンサムな男性にここまで言われたら幸せだよなーって、ため息が出るような台詞が満載です。

 フィリーも「美人ではない」という設定のヒロインにしては卑屈にならずに目いっぱい努力するタイプで、とても好感が持てました。ワーレに振り向いてもらいたくて、何着ものドレスを買い、化粧法を考え、有名な美容院で髪をカットしてもらう。そこまでやっても気が付いてもらえないとなると落ち込んで、でも、やっぱりあきらめないという不屈の精神の持ち主です。素晴らしいですその性格。

 恋のライバルも出てきますが、問題だったのはライバルではなく、実はその母親と、フィリーの継母&その娘たちだったというオチ(?)でした。
 SweetでLovely そんな作品です。

リトル・ムーンライト

リトルムーンライト(ハーレクインクラッシック) 原題:Little Moonlight 初版1991
 
ヒロイン:サリーナ・プラウドフット(秘書)
ヒーロー:マルク・テル・フォーレン(医師、オランダ人)

 ヒロインは平凡な顔立ちだけど目が印象的、というニールズお定まりの設定ですが、この作品のセリーナは上向きの鼻ではなく、鷲鼻を持っていることが特徴。ヒーローのマルクは長身、ハンサム、医者、お金持ち、といつもの設定です。

 実は、この作品を読む前に、「平凡な顔立ちのヒロインがそれを気に病み、卑屈になってヒーローの言うことを聞き入れず問題をややこしくして……」というパターンの話を3作続けて読んだので、この本の最初のページを読んだ段階で「またかー」と思いましたが、セリーナはそれほど卑屈な女性ではなかったようです。

 彼女の場合、マルクへの恋心に悩むと同時に、自分勝手な母親に振り回されるという不運も抱えていたので、そうそう卑屈になっている暇がなかったのかもしれません。自分勝手な母親に振り回されるしっかり者のヒロインという点で、私の大好きな「片思いの日々」のマチルダとよく似ています(母親の最悪度でいえば、マチルダの母より、セリーナの母の方が上回る、と個人的に思うのですが)。

 私の好きなシーンは、セリーナが泣きながら「彼は私を軽蔑してるわ」と伯母に胸の内を語るシーンです。そこへ、予定よりかなり早くマルクが到着してしまうのですが……。

 マルクは最後の最後まで自分の胸の内を明かさないタイプで、セリーナが悩んでいるのがわかっていながら、それもどうかと思いましたが、まあ、最後はプロポーズでハッピーエンドだったので良しとしましょう。
 
 これは洋書で読みましたので、台詞の部分は訳されたものとは違うと思います。

とっておきのキス

とっておきのキス(ハーレクインロマンス) 原題:A Kiss for Julie 初版:1996年

ヒロイン:ジュリー・ベックワース(秘書) 
ヒーロー:シモン・ファン・デル・ドリースマ(医者、オランダ人)

 ニールズの作品の中では「楽しい」作品に分類されると思います(というか、私が分類した)。ヒーローとヒロインが、本当はお互いに愛し合っているのに、お互いがお互いに嫌われていると思い込んで、じたばたする姿や、普段はぶっきらぼうなヒーローが、遅まきながらヒロインを愛していることに気が付き、何が何でも結婚しようと意志を固め、まずはヒロインに好感を持ってもらわねばと奮闘するところなんかが微笑ましいのです。

 全体的に深刻度が低く、軽い感じに仕上がっているのは、ジュリーの妹エズミー存在によるところが大きいと思います。このエズミーが実にいい。ニールズの作品には、よくヒロインの妹として14~5才の少女が登場しますが、みな、ヒロインを励まし、ヒーローとの間の潤滑剤になり、暗い雰囲気を明るくしたりと大活躍(小活躍かも)するのです。
 
3回くらい読み直しているので、私としてはかなり気に入った作品なのでしょう。
 
 

プロポーズ日和

プロポーズ日和(ハーレクイン・イマージュ) 原題:Cobweb Morning  初版:1975

ヒロイン:アレクサンドラ・ドブズ(看護師)  
ヒーロー:ターロ・ファン・ドレッセルハイス(医者、オランダ人)

 ニールズの作品はほとんど好きですが、この作品は読んでいるうちに思わずにんまりとしてしまうような作品です。どうしてなのか自分でも分析できてないのですが、とにかくこの作品は「じーん」でも、「うるうる」でもなく、「にんまり」なんです。

 ヒーローが結構積極的で、割と態度で示すタイプで分かりやすいからでしょうか。その分じれったさがない。ヒロインの方は相変わらずで、ヒーローが自分を愛していることに気がつかない。しかも、こんだけ態度で示されてて気づかないというのも、問題だよ、というレベル。でも、美人なのに「私は愛されてないの」と嘆くヒロイン話は結構好きです。いや、結構どころか、すごく好き。嫉妬に狂ったヒーローの態度も、まあこのくらいならOKってレベルでしたし。結構気に入った作品でした。
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HN:
Mrs Green
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誕生日:
1965/07/23
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主婦
趣味:
ありすぎて書ません
自己紹介:
夫と子供2人の専業主婦です。
宮崎生まれで、現在沖縄に住んでいます。
青い海も好きですが、それよりふるさとの緑の山々が恋しい……。
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